衣類などのUV対策グッズにはなんで「PA+」のような表記がないの?紫外線対策のUPFについてSPFやPAとの違いを解説

ぐんぐん暑くなってきて紫外線も気になってくる季節。

日焼け止めや日除け対策グッズなど色々と気になるこの時期。私も腕の日焼け対策でアームカバーの商品ページを見ていると、製品仕様の欄に「UPF 50+」という記載がありました。

なんとなく50+という記載はかなり高性能な感じがしますが、日焼け止めとかだと「SPF」「PA+」のような記載もあるし何が違うんだろう、と疑問に思ったことはありませんか?

実は日焼け止めに書いてある50+は「SPF」という単位で仕様に書いてあった「UPF」とは別物なんです。

でもよくよく考えてみると日焼け止めに書いてある「SPF」「PA」という単位自体も意外とややこしくて説明しろと言われると難しい、、、。

「SPF」「PA」「UPF」のイラスト

それぞれなんとなく“紫外線を防いでくれるもの”というイメージはあっても、違いをきちんと理解している人は少ないかもしれません。

この記事では、日焼け対策グッズに関する知識としてSPF」「PA」「UPF」それぞれの意味や違い、選び方のポイントまでを、わかりやすく解説します。

目次

そもそも紫外線って何?

紫外線(UV)は、太陽から届く見えない光の一種。肌にダメージを与えることで知られており、大きく分けて次の2種類があります。

  • UV-A(紫外線A波):肌の奥深く(真皮)に届き、シワやたるみなどの“光老化”を引き起こす。曇りの日や窓ガラス越しでも届くのが特徴。
  • UV-B(紫外線B波):肌の表面(表皮)に影響を与え、赤く焼けたり炎症を起こしたりする。日焼けの主な原因。
「UV-A」と「UV-B」の肌に届き方の違いのイラスト

それぞれ異なる性質を持っているため、対策にも違いが必要なんですね。

SPFとは?日焼けを「遅らせる」指標

SPF(Sun Protection Factor)は、主にUV-B(赤くなる日焼け)に対する防御力を示す指標です。数字の10〜50+の間で表されます。

「SPF30」なら、何も塗らなかった場合と比べて、日焼けするまでの時間を30倍に延ばせるという意味になります。例えば、通常10分で赤くなる肌なら、SPF30の日焼け止めを塗ることで約300分=5時間防げる計算になります。

SPF値使用シーン
SPF10〜20ちょっとした外出
SPF30〜50買い物・散歩・通勤
SPF50+炎天下・レジャー・海など

※あくまで目安

SPFは「時間の長さ」を示すだけで、数値2倍=効果2倍というわけではないので注意!

PAとは?肌老化に関係する「UV-A」対策

PA(Protection Grade of UVA)は、UV-A(しわやたるみの原因)をどれくらい防げるかを表す指標ですこちらは「+」マークの数で効果が表示されます。

PA表記UV-A防御効果使用シーン
PA+効果がある軽い日常使いに
PA++かなり効果がある通勤・お出かけに
PA+++非常に効果がある長時間の外出に
PA++++極めて高い効果がある真夏・屋外スポーツに最適

※あくまで目安

UV-Aはガラスや雲も透過するため、室内や車内でも影響を受けることがあります

UPFとは?衣類や布製品の紫外線カット性能

UPF(Ultraviolet Protection Factor)は、衣類や布製品の紫外線カット性能を表す指標です。こちらは15〜50+の数字で表されます。

つまりSPFとUPFの違いは、

SPFは「日焼け止め(肌に塗るもの)」に使われるのに対し、UPFは「服・帽子・傘などの繊維製品」に使われるものという違いがあるのですね。

UPF値紫外線カット率防御レベル
UPF15〜24約93〜95%カット良好
UPF25〜39約96〜97.5%カット非常に良好
UPF40〜50+約97.5〜98%以上カット優れた防御力(最高)

※あくまで目安

たとえば、UPF50のシャツなら紫外線を50分の1、つまり約98%カットできるということになります。

同じ「50+」の表記でも意味が違う

紫外線対策で「50+」という表記があったとしても、SPFUPFでは意味が異なっています。SPFはUV-Bのカット効果を表し、UPFはUV-A・UV-Bの両方を防ぐ効果を示しています。

指標防ぐもの対象表示方法
SPFUV-B肌(日焼け止め)数字(SPF30など)
PAUV-A肌(日焼け止め)+記号(PA+++など)
UPFUV-A・UV-B衣類などの布数字(UPF50など)

一見ややこしいですが、衣服などの紫外線対策グッズの「UPF◯0」などの表記はそれだけで日焼け止めクリームの「SPF◯0・PA+」の両方の意味を含んでいるということですね!

今回購入しようと思っていたアームカバーは「UPF 50+」ということでしっかりと紫外線を防ぐ効果がありそうです。

UPF50+のアームカバーはこちら↓

とはいえ肌トラブルを未然に防ぎたいなら、日焼け止めと併用することで「SPFで焼けるのを防ぎ、PAで老化を防ぎ、UPFでさらに守る」といった複数の対策をすることが一番確実です。

またUVカット効果はそのどれもに寿命があるため、製品ごとに確認の上使用することをおすすめします。

今年の夏は、自分に合ったUV対策をしっかり選んで、快適に乗り切りましょう!

参考:日本化粧品工業連合会「紫外線編」

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