ケーブルの種類って深い。
スマホ、タブレット、ノートPC、ゲーム機…。今っていろんな機器が“USB Type-C”(通称USB-C)でつながるようになってきていますよね。形もスッキリしていて、上下どっち向きでも挿せるのが最高。でも、いざケーブルを選ぼうとすると「USB-Cって書いてあるのに充電遅い…」「なんかディスプレイに映らない…」なんてことも。
それ、もしかしたら「見た目は同じでも中身が違うケーブル」だったのかも。。。
この記事では、そんな“ややこしいUSB-Cの世界”を解説していきます。
特に「Thunderbolt(サンダーボルト)」というめっちゃ高性能な規格についても触れながら、「結局どのケーブルを選べば失敗しないの?」という疑問にお答えします。
USB-Cは“形”のこと。でも中身はバラバラ
まずはここから。そもそもUSB-Cって何者?
USB-Cは現在主流になりつつあるUSBのコネクタ規格の一つです。2014年頃に策定された比較的新しい形状で、これまでのUSB Type-A(従来の長方形コネクタ)やMicro-USBなどに代わり、上下どちら向きでも差せるリバーシブル構造を持つのが特徴です。

でもポイントは、USB-Cというのはあくまで“形の名前”ってこと。中身の性能までは表してないんです。
例えば安価なものはデータ転送が昔のままのUSB2.0(480Mbps)止まりのものもありますし、高価なものではUSB3.2 Gen2(10Gbps)やUSB4(20~40Gbps)対応のものまで様々です。
また充電能力(対応W数)もケーブルによって60Wまでのものや100W対応など差があります。
このように、「USB-Cだから全部同じ」というわけではなく、ケーブルごとに得意分野や性能がバラバラなのです。
Thunderbolt(サンダーボルト)って何?
Thunderbolt(サンダーボルト)とは、Intel社が中心となって開発した高速データ伝送規格です。もともとは2011年にMac向けに登場した技術で、当初はMini DisplayPortと同じ形状の端子を使っていましたが、2015年に登場したThunderbolt 3からコネクタ形状がUSB-Cに変わりました 。このThunderbolt 3以降は見た目がUSB-Cと見分けがつかず非常に紛らわしいのですが、ケーブルやポートに小さく稲妻(雷)マークが付いているのがThunderbolt対応の目印です。

Thunderboltは、見た目こそUSB-Cとまったく同じですが、性能が桁違い。例えばThunderbolt4では、データ転送は最大40Gbpsと超高速、映像出力は4Kや8Kの高解像度モニターに対応し、しかも最大100Wまでの急速充電ができるという、まさに“全部入り”の規格なんです。
Thunderboltも3、4、5と進化していて、どれもコネクタ自体はUSB-Cと変わりませんが、2025年現在最新のThunderbolt5では最大120Gbpsという超高速のスペックを誇っています。
重要な”大は小を兼ねる”という概念
Thunderboltが便利なのは高性能なだけじゃありません。実は、互換性の面でもとても優秀なんです。
たとえば、Thunderbolt 4対応のケーブルは、見た目はUSB-Cと同じなので、USB-C対応の機器にもそのまま使えます。スマホの充電に使うこともできるし、一般的なUSBメモリやUSBハブにも問題なく対応します。規格の話をするとThunderbolt 4はUSB4に完全に対して完全上位互換ということができます。
項目 | USB 3.2 Gen1 / Gen2 | USB 4 | Thunderbolt 3 | Thunderbolt 4 |
---|---|---|---|---|
最大転送速度 | Gen1: 5Gbps / Gen2: 10Gbps | 最大40Gbps(仕様により異なる) | 最大40Gbps | 最大40Gbps |
映像出力 | 対応する機器のみ可能 | オプション(対応機器のみ) | 標準対応(最大2台の4K or 1台の5K) | 標準対応(最大2台の4K or 1台の8K) |
給電 | 最大100W | 最大100W | 最大100W | 最大100W |
互換性 | USB 2.0/3.0等と互換あり | USB 2.0/3.2等と互換あり | USB-C・USB 3.1/3.2と互換あり | USB4・Thunderbolt 3/USBと互換あり |
つまりThunderboltは「USBの上位互換的な存在」と言えますね。
さらに最新のThunderbolt 5では転送速度最大120Gbps、240Wの給電に対応しており、一気に大きな進化を遂げています。
ざっくりですが、「USB3」<「USB4」≒「Thunderbolt 3」<「Thunderbolt 4」<<<「Thunderbolt 5」と考えておけば間違いありません!
最強のUSB-Cケーブルって、つまりこれ
ここまで読んでいただいた方ならもうお分かりかもしれませんが、今選べる中で「最強のUSB-Cケーブル」は、ズバリThunderbolt 4or5に対応したケーブルです。
もちろんThunderbolt 5が一番最強なのですが、2024年末ごろに出始めたばかりの規格でまだ対応機種が少なく、製品の選択肢も多くはないため現状ではThunderbolt 4でも不便に感じることはほとんどないはずです。
(ちなみに上記のAnker(アンカー)のケーブルは2025年4月に発売されたばかりのものでThunderbolt 4の規格ですが240Wの給電に対応しているのでおすすめです)
※5月24日追記
ついにAnkerからもThunderbolt 5のケーブルが発売されました!Apple Storeなどでも取り扱いのあるメーカーなので品質も保証されているため迷ったらコレ!という一本になりそうです。
Thunderboltのケーブルならデータ転送、映像出力、充電、互換性といったあらゆる面で最高レベルの性能を備えています。そして、普通のUSB-Cケーブルとしても問題なく使えるので、「これさえ持っておけばOK」という安心感があるんです。
特に、スマホだけでなくノートパソコンや外付けSSD、ディスプレイなど、少しでも“パワーが必要なガジェット”を使っている人にとっては、間違いなく1本持っておいて損はありません。
迷ったら“全部入り”を1本持っておこう
USB-Cケーブルの世界は一見シンプルに見えて、実はかなり複雑です。見た目が同じでも中身の性能はバラバラなので、「なんとなく安いやつを買ったら使えなかった…」なんてことも珍しくありません。
そんなときこそ、Thunderbolt 対応のケーブルを1本持っておけば、ほとんどの用途に対応できます。もちろん、価格は少し高めですが、その分長く使えるし、後から「これじゃダメだった…」と買い直す必要もありません。
まさに「大は小を兼ねる」。USB-Cケーブルに迷ったら、“全部入り”のThunderbolt ケーブルを選んでおけば、きっと後悔しないはずです!!