スマホ用のモバイルバッテリーを選ぶときに、よく目にする「5,000mAh」や「10,000mAh」って、正直どれを選べばいいのかわからなくないですか?
「数字が大きい方がたくさん充電できるんでしょ?」というのは間違ってはいませんが、実は使い方や目的によって“ちょうどいい容量”は違うんです。
今回はそんなモバイルバッテリー選びのモヤモヤを解消するために、「mAhって何?」「どれくらい必要?」「実はフルには使えない?」といったポイントをギアモノにてにわかりやすくまとめていきます!
”mAh”って何?スマホにどれくらい必要?
まず「mAh(ミリアンペアアワー)」とは、バッテリーがどれだけ電気をためられるかを示す容量の単位です。数字が大きいほど、たくさんの電力をためられます。
たとえば、iPhone 16のバッテリー容量は約3,561mAh。
つまり、理論上は3,561mAh以上のモバイルバッテリーがあれば1回フル充電できることになります。
…が、ここで注意点。
実はモバイルバッテリーの容量ってそのまま100%使えるわけじゃないんです。
思ったより使えない?充電ロスの正体
モバイルバッテリーは「電気をためる → スマホに送る」という過程で、さまざまなロス(無駄な消耗)が発生します。
ギアモノにてAnkerの10,000mAhのモバイルバッテリーで実験したところ、以下のような結果になりました。
🔋10,000mAhのモバイルバッテリーで、iPhone 15 Pro Max(4,422mAh)を0%からフル充電した場合
→ 残量は42%
つまり、58%=5,800mAhを使って、スマホを4,422mAh分充電したことになります。
計算すると、約24%の電力が失われていたということに。

この「充電ロス」は主に以下の原因から起こります。
- バッテリー内部での電圧変換(3.7V→5Vや9V)
- ケーブルでの抵抗
- 発熱や内部回路でのロス など
だいたい実際に使えるのは容量の70〜80%前後と覚えておくといいでしょう。
表記容量 | 実際に使える目安 |
---|---|
5,000mAh | 約3,500mAh前後 |
10,000mAh | 約7,000mAh前後 |
20,000mAh | 約14,000mAh前後 |
目的別・おすすめのモバイルバッテリー容量
じゃあ結局どれを選べばいいのか?
用途別におすすめの容量を見ていきましょう!
ちょっとした外出や通勤なら…5,000mAhクラス
ポケットにも入るコンパクトサイズで、毎日使うスマホの充電を拡張したいという人向け。
ケーブル一体型も多く、気軽に持ち歩けるのが魅力です。
- 軽くてかさばらない
- 小型端末なら1回フル充電OK(大きな端末だと8割ほど)
「昼から外出だけど、夜までもたないかも…」というときの予備電源に!
とにかく小型でコンパクトなタイプが良ければ上記のCIOのモバイルバッテリーがおすすめ。またバッテリーだけでなくコンセント付きの充電器、ケーブルまでセットという一台三役の「Anker Power Bank Fusion」(下記)は筆者も実際に愛用していて超お気に入りです。こちらでレビューもしておりますのでぜひ!
小旅行や出張なら…10,000mAhクラス
最も人気のあるサイズ。スマホを1.5〜2回フル充電できるパワーがあり、日帰り旅行やちょっとした出張にも対応可能。
- 安心感と携帯性のバランス◎
- 重さは200g前後でバッグには余裕で入る
「カメラや地図アプリ、ゲームなどをたくさん使う」スマホヘビーユーザーや旅好きに!
このクラスの充電器が一番サイズや機能、コスパといった個性が出せるので激戦。各社それぞれ強みを出してしのぎを削っています。
とにかくコスパを求めるなら下記のAnker Power Bankをおすすめします。定価3000円台半ばで持ち運びに適したストラップ型ケーブル付きということでもはや定番と言える一台です。
つい最近発売されたばかりで話題になっている「ケーブル一体型×コスパ」を求めた「Anker Zolo Power Bank」もギアモノにて実機レビューをしておりますのでこちらもあわせてぜひ!

スマホもタブレットも充電したいなら…20,000mAh以上
タブレットやノートPC、さらにはワイヤレスイヤホンなど複数端末の充電が前提ならこのクラス。災害時の備えとしてもおすすめ。
- 高出力モデルならラップトップPCも充電可能
- ただし500g前後あり、携帯性は落ちる
「出張でガジェット多数持ち」「フェス・アウトドア好き」「非常用に備えたい」人
最近はこのクラスだと超高出力のものが多く出てきています。金額もそれなりにしてきますが、ほんの少し前ならコンセントに繋ぐ大型の充電器でもなかなか無かったレベルの出力を備えたバッテリーも登場しています。
特に上記の「Anker Power Bank (25000mAh, Built-In & 巻取り式USB-Cケーブル) 」は5月に発売されたばかりでまさかの100W入出力、、、!加えて入出力や温度などをリアルタイムで確認できるカラーディスプレイや巻き取り式ケーブル搭載といったまさにモンスターなモバイルバッテリーです!
出力(W数)も重要!急速充電ならここをチェック
mAhだけでなく、もうひとつ注目してほしいのが「出力」。
出力は「5V/2A」や「9V/3A」などで表示され、電力(W数)に換算されます(W=V×A)。
たとえば急速充電に対応したスマホを持っているなら、最低でも「18W以上」出せるモバイルバッテリーを選びたいところ。
最近では「30W」や上記の「100W」といった高出力モデルも増えていて、ノートPCまで十分に充電できるものもあります。
今回おすすめとして紹介したモバブたちはどれも20W以上のものをチョイスしているので、スマホを充電する際、急速充電を体感できるはずです!
容量選びのコツは“ちょっと余裕を”
モバイルバッテリーを選ぶときは、単純に「mAhの数字が大きいものを選べばOK」というわけではありません。実際には変換ロスで容量の7〜8割程度しか使えないことが多いため、自分の使用している端末のスペックを確認した上で“少し余裕を持った容量”を選ぶのがポイントです。
モバイルバッテリーを選ぶ前に「お手持ちのスマホ名、バッテリー、容量」などで検索してバッテリーの容量を確認しておくことをおすすめします。
例えば、iPhone16であればバッテリー容量が「3,561mAh」ということなので充電ロスを考慮すると5,000mAh(実質約3,500mAh)のバッテリーでちょうど一回満タンまで充電できるくらいというわけですね!
あわせて出力(W)もチェックしておけば、急速充電にも対応できてより快適になっていくはずです。
使い方に合った“ちょうどいい一台”を見つけて、安心のスマホライフを手に入れましょう〜。
※今回紹介したモバイルバッテリーはUSBType-Cのタイプを選んでいます。iPhone14以前を使用している方は、Lightningケーブル版などが必要となりますのでご注意ください。