【実機ハンズオン】話題のレンズ一体型カメラ SONY「RX1R III」実際に触ってきた

2025年7月15日に突如発表された、SONYのレンズ一体型フルサイズカメラ「RX1R III」

前作「RX1R II」の発売は2016年2月16日ということで、約9年半ぶりのフルモデルチェンジとなります。

今回はそんな話題の新作カメラを、発売前に先行体験できる機会があったので、ソニーストア銀座まで行って実機を触ってきました。実際にSDカードを持参し、撮影も行っています!

目次

ソニーストア銀座で先行体験!

先行体験はSONY直営のソニーストアのみで実施。人気機種のためハンズオンにも予約が必要でした。

筆者は運良く初日の予約枠を確保でき、15分間の枠内で実機に触れることができました。展示機には人が集まっていたものの、スタッフの方の誘導もスムーズでストレスなくカメラの元へ。

超久しぶりの銀座
A5出口を出るとすぐにソニーストア銀座が入る「銀座プレイス」ビル

コンパクトさと高級感の両立

小さいけれど高級感たっぷり

実際に手にするとそのコンパクトさに驚かされます。重量は約498g(バッテリー・メモリーカード込み)と500gを切りつつ、35mmフルサイズセンサーを搭載しているとは思えないサイズ感です。

「RX1R III」本体(正面)
「RX1R III」とご対面

正直、ボディサイズが小さすぎてレンズを持っているような感覚になってしまうほど。

「RX1R III」本体(上から)
レンズ自体特に大きいというわけではないですが、本体が小型なためレンズの方が存在感が大きい。
「RX1R III」本体(横から)
「RX1R III」本体(背面)
背面は小型ながらコントロール系はしっかり搭載

金属外装の質感も非常に高く、ツァイスの35mm F2レンズとの組み合わせで、コンパクトながら高級感もしっかりありました。

「RX1R III」を手のひらの上に
片手に収まるサイズ感。フルサイズと考えると本当に小さい。
「RX1R III」のダイヤルを回す
ダイヤルなどは硬めで誤動作はなさそう

グリップ感はやや控えめ

小型軽量ゆえにグリップ感は控えめで、筆者の手では少し持ちにくさを感じました。ただし、純正のグリップ付きジャケットを装着すればしっかりホールド感が得られるようになります。その分やや重くなりますが、好みに応じて選べるのは好印象です。

「RX1R III」のレンズを触る
ボディが薄い分グリップ感は控えめ
「RX1R III」に純正ボディケースを装着し手のひらの上に
純正ボディケース。グリップ感はかなり向上する一方重量は増すため悩ましい。
「RX1R III」の背面カバーを開ける
純正ボディケースを装着したままでもバッテリーやSDカードへのアクセスは可能。

実写してわかったRX1R IIIの実力

ソニーストアではSDカードを持参すると実機撮影体験が可能で、撮影したデータも持ち帰ることが可能なため今回筆者も短い時間でしたが撮影体験もしてきました。

「RX1R III」にSDカードを挿入
SDカードはバッテリーと同じ位置に挿入

※今回、「RX1R III」で撮影した写真は全てJPEGの撮って出しです。(撮影モードは複数)(サイト動作の関係上、自動的に画像は圧縮されてしまうためご了承ください)

AF性能の進化に驚き

SONY機にあまり触れてこなかった筆者でも、AF性能の高さには驚きました。像面位相差AFは613点に増加し、AIプロセッシングユニットによる被写体認識も搭載。人物はもちろん、犬のフィギュアにも瞳AFがしっかり機能していたのはとても気持ちよかったです。

写真作例1
写真作例2
フィギュアでもしっかりと瞳AFが効いている(しかも早い)

マクロモードではレンズ先端から約14cmまで寄れるため、インパクトある接写も楽しめます。

写真作例3
写真作例4(接写)
展示されていた造花の手前に近づいて接写(20cmほど)

フルサイズの余裕を感じる写り

有効約6100万画素の裏面照射型CMOSセンサー(Exmor R)とBIONZ XRエンジンによる描写力は圧巻。背景ボケやディテールの描写、発色も非常に自然で、ツァイスレンズとのマッチングも素晴らしいです。

写真作例5(手のひら)
写真作例6(グッと)

クロップ機能を使えば50mmや70mm相当の画角でも撮影可能で、ズームレンズ的な運用もできるのが面白いポイントです。

写真作例7(モノクロ)
モノクロで表現力が高い
写真作例8

バッテリー持ちはやや不安

体験中にバッテリー切れが発生。CIPA基準で撮影可能枚数は約270〜300枚とされており、予備バッテリーの持参は必須と感じました。USB-Cによる給電にも対応しているので、モバイルバッテリー運用も現実的です。

「電池がなくなりました」の表示
15分間のインプレッション中に一度電池切れに

ファインダーの画質は必要十分

RX1R IIではポップアップ式だったEVFは、今回は固定式の236万ドットOLEDに変更。

スペック的には控えめですが、実際に覗いた印象では「必要十分」。小型ボディに収めるには最適な選択だったように思います。

「RX1R III」で撮影中
電子ビューファインダーは固定式な分カップも大きめで使う機会は多そう

RX1R IIからの進化点まとめ

改めて前作の「RX1R II」からの変更点をざっくりまとめてみました。

  • センサー:4240万画素 → 6100万画素(裏面照射型・ローパスレス)
  • 画像処理:BIONZ X → BIONZ XR + AIユニット
  • AF:399点 → 613点+AI認識
  • 動画:FHD → 4K/30p 10bit記録対応
  • バッテリー:NP-BX1 → NP-FW50(撮影可能枚数も増加)
  • モニター:可動式 → 固定式タッチパネル
  • EVF:ポップアップ式 → 固定式
  • USB端子:microUSB → USB-C(PD対応)

流石に10年近く経過していることもあり、全体的にかなりアップデートしている印象です。しかし背面モニターがチルト式から固定式へ変わった点など人によってはデメリットと感じてしまうような変更点もありますね。

個人的にはEVFがポップアップ式の方が、中にメカが詰まっている感じで好きではありました。

価格は高い。でも、納得。

実売価格は約66万円(税込)と、前作よりも20万円以上アップ。

しかし、現代のフラッグシップαシリーズと同等のセンサー・処理エンジンを搭載し、専用設計の高性能レンズが一体となっていることを考えれば、決して割高とは感じませんでした。

「RX1R III」と純正ボディケース
純正ボディケースをつけたままの見た目もスマート

フルサイズ×単焦点一体型レンズ搭載カメラ、という点で比較されそうな「Leica Q3」と比べても価格は抑えられており、SONYの最新技術がコンパクトに詰め込まれた唯一無二の存在です。

【まとめ】欲しい。でも……でもやっぱり欲しい。

わずか15分の体験ながら、このカメラが持つ魅力は強烈に伝わってきました。6100万画素の描写力、爆速AF、そしてコンパクトボディに詰め込まれた高級感。

純正ボディケース本体

「ズームしたいときはクロップで対応する」という潔さが、今後の高級コンデジのスタイルとして新たなトレンドになる可能性も感じました。

価格は高い。でも納得。いや、高い。……けどやっぱり欲しい!

そんな気持ちにさせてくれる、魅力たっぷりのカメラでした。

これをパッと買えるような財力が、、、!

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この記事を書いた人

東京出身。生粋のガジェットオタク。
中学生の頃、父から譲り受けた古いノートパソコンをきっかけにプログラミングにのめり込み、高校では情報系の授業ばかりを選択。ちょうどiPhoneが爆発的に普及した時期と重なり、ITとガジェットにどっぷりハマる原体験に。その後は大学で情報科学を学び、卒業後は映像制作チームに所属。編集や制作に携わりながら、フリーライターとしてIT・ガジェット分野の記事を中心に執筆を続けている。

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