いよいよ夏本番!旅行やレジャー、フェスなどでお出かけも増えるこの季節、モバイルバッテリーはもはや旅の必需品ですよね。
今回は、安くて意外と“ちゃんとしてる”アイテムが揃うことでおなじみ【3COINS(スリーコインズ)】から発売されているモバイルバッテリー《スマホ3回分》を実際に購入&使用してみたので、使用感や気になる出力スペックなどを本音でレビューしていきます!
スリコのモバイルバッテリーの基本仕様と特徴
今回購入したのは10,000mAhモデルで、スリコでは他にも5,000mAhのものと、コンセントから直接充電できるACプラグ付きモデルもラインナップされています。どのモデルもブラックとアイボリーの2色展開となっており、今回レビューするのはその中でも最も大容量なタイプ。


質感も内容物もシンプル
本体サイズは高さ14cm、幅6.8cm、厚さ1.8cmで、重量は実測で約214g。最近のモバイルバッテリーと比べるとやや大きめではありますが、スマホと重ね持ちできる平たいデザインなので、使い勝手は悪くなさそうです。

プラスチックでできた外装でブラック一色のシンプルな見た目。表面はややザラッとしたマットな質感で、指紋が付きにくく傷にも強そうな印象。
パッケージ内容も非常にシンプルで、本体に加えて15cmのUSB Type-C to Aケーブルと、保証書付きの取扱説明書が入っているだけ。そのため本体の充電には別途チャージャーなどが必要です。

このモバイルバッテリーの特徴として、1%単位でバッテリー残量が確認できるデジタル表示モニターが搭載されています。側面のボタンを押すことで電池残量を一目で確認できるためとてもわかりやすいです。

詳細スペック一覧
項目 | 内容 |
---|---|
容量 | 10,000mAh |
サイズ | 約高さ14×幅6.8×奥行1.8cm |
重量 | 約214g(実測)222g(カタログ値) |
入力 | USB-C:5V/2A(最大10W) |
出力 | USB-A×2:5V/2A(2ポート合計 最大10W) |
表示 | 残量が1%単位でわかるデジタル表示付き |
カラー展開 | ブラック / アイボリー |
価格 | 税込2,200円 |
このスペックを見て、ん? と思った方は鋭いです。。。仕様の部分が致命的なので後ほど詳しく解説します。
【メリット】税込2,200円という驚異的なコスパ
このモバイルバッテリーの最大の特徴はやはり価格です。10,000mAhという容量ながら、税込2,200円というのは他社製品と比べてもかなりお買い得。例えばAnkerなどの有名メーカーで同容量の製品を買おうとすると、3,000円前後は見込む必要があります。
Ankerの10,000mAhモデルだと最安値でも2,990円↓
しかも本製品の製造元は、PC周辺機器などを扱う「グリーンハウス」。ガジェット好きなら一度は耳にしたことがある日本のメーカーという点も、品質面での安心材料になりそうです。

【デメリット】充電まわりの仕様は正直いまいち。特に出力が弱い
価格が魅力的な一方で、実際のスペックを見るとかなり残念なポイントも見えてきます。まず、出力ポートはUSB Type-Aが2口のみで、最大出力は合計10W(5V/2A)。つまり、iPhoneでもAndroidでも急速充電には対応していません。
さらに、USB Type-Cポートも備えていますが、こちらはあくまで入力専用。モバイルバッテリー自体を充電するためのもので、スマホなどへ給電することはできません。最近ではType-Cからの出力が主流になっている中、この仕様は明らかに時代遅れ感があります。



加えて、付属ケーブルもType-C to Aなので(他にケーブルを持っていない場合は)バッテリー本体を充電するためには、Type-Aの出力ポートを持った充電器が必要です。普段Type-Cだけで生活している人にはかなり不便ですね。

充電中残量モニターはずっと点灯
そこまで大きなデメリットではありませんが、バッテリーを使用している時も、本体を充電している時も電池残量モニターはずっと点灯しっぱなしでした。
輝度は明るめなので、夜充電する際は気になるかもしれません。

【検証】実際にスマホへの充電速度を調べてみた
今回はiPhone 15 Pro Maxを使って、0%の状態から満充電になるまでの時間を計測しました。

短時間の充電では難しい
接続後すぐに電源は復活したものの、30分後のスマホ側の電池残量は17%。

1時間後でも36%。あまり電流の調整をしないのか同じようなペースで充電されていっています。

結局満充電までは3時間
結局同じようなペースで充電されていき、最終的にフル充電されるまでには3時間ほどかかりました。

ただし、充電中のペースは一定で、途中で止まることもありませんでした。

検証の結果、正直なところスペック通りかなり遅い印象でした。普段急速充電しか使っていなかったので、充電が遅い点は使いづらさを感じてしまいますね。
以前レビューした10,000mAhのAnkerの30W出力モバイルバッテリー「Anker Zolo Power Bank」と比べるとかなり非力な印象が強いです。
充電時間が長いこともあるのかスマホを満充電後のモバイルバッテリーの方の残量は34%に。これもアンカーの同容量のものより少ない結果になりました。

急ぎの場面には不向きですので、のんびり使うことが前提になりそうです。
安全面はしっかり。熱くならず安心して使える
実際に使ってみて意外だったのが発熱の少なさです。充電中も本体がほとんど熱を持たず、触っていても安心感があります。これは出力が控えめであることのメリットとも言えます。

さらに、過充電や過放電、過電流、短絡、過熱といった基本的な保護機能もきちんと備わっており、安全面は担保されていそうです。最近モバイルバッテリーの発火事故なども増えているので安全性の高さは嬉しい。2,000円でここまでカバーされているのは評価できますね。
※保護機能がついているとはいえ、どんなモバイルバッテリーであっても極端な高温な場所などでの使用は危険ですので注意が必要です。
【まとめ】スペックは低い。割り切って使うならアリかも
数日使ってみて改めて感じたのは、「とにかく安くて容量があるモバイルバッテリーが欲しい」というニーズには応えられるものの、現代的なモバイル環境におけるメインバッテリーとしては物足りない、という点です。
特に、出力がUSB-Aのみで最大10Wというのは、スマホを日常的に急速充電しているユーザーにはストレスになるでしょう。また、Type-C出力がない点も、今のガジェット環境と比べると一歩遅れている印象は否めません。
個人的に何か一つ選べ、というのであればズバリ「Anker Zolo Power Bank」をおすすめします!

とはいえ、価格の安さや、安全性の担保された設計、そして全国のスリーコインズ店舗やオンラインで手軽に手に入るという利便性を踏まえると、サブ用途や、充電速度にこだわらないライトな使い方であれば良いかもしれません。



特にとにかく安く抑えたい学生さんや、旅行用などで故障や紛失などのリスクがある状況での「(ある意味)雑に扱えるモバブ」としては選択肢に入りそう。


またハンディファンやワイヤレスイヤホン、LEDライトといった小型ガジェットの充電ではこのスペックでも問題ない(そもそも高出力で充電できない)ため、そういった小物ガジェット専用の予備バッテリーとしては悪くないですね。
メイン用途にはおすすめできませんが、「とにかく安さ重視」「とりあえず1本持っておきたい」という方には、検討する価値はある一台でした。
今回紹介した商品はこちら↓
